不動産売買において「測量」は土地の境界を明確にする重要な工程です。しかし、測量を行うタイミングによって、売主・買主双方にとってのメリットやリスクが変わってきます。今回は、以下の3つのタイミングについて、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
① 売り出す前に測量を行う場合
✅メリット
- 境界が明確になるため、買主の安心感が高まる
境界トラブルのリスクが低く、買主にとって信頼性の高い物件となる。 - 売却価格の根拠が明確になる
正確な面積が分かることで、適正価格での売却が可能。 - 売却後のトラブルを未然に防げる
境界に関する紛争や隣地とのトラブルを事前に回避できる。
❌デメリット
- 測量費用を売主が負担する必要がある
数十万円の費用がかかる場合もあり、売却前の出費となる。 - 売却前の準備期間が長くなる可能性がある
測量には時間がかかるため、すぐに売り出したい場合には不向き。
② 売買契約後・引渡し前に測量を行う場合
✅メリット
- 買主の希望に応じた測量が可能
買主の意向を反映した境界確認ができる。 - 費用負担の交渉がしやすい
契約時に測量費用の分担を取り決めることができる。
❌デメリット
- 測量結果によって契約内容の変更が必要になることがある
面積の誤差が生じた場合、価格や条件の再交渉が必要になる可能性あり。 - 引渡しまでの期間が延びる可能性がある
測量に時間がかかると、引渡しが遅れるリスクがある。
③ 引渡し後に買主が測量を行う場合
✅メリット
- 売主にとっては手間と費用がかからない
測量に関する責任を買主に委ねることができる。 - 買主が自由に測量業者を選べる
自分の信頼する業者に依頼できるため、納得感が高い。
❌デメリット
- 境界トラブルが発生する可能性がある
測量後に隣地との境界に問題が発覚することも。 - 買主が想定していた面積と異なる場合、損をする可能性がある
契約時の面積が実測と異なると、資産価値に影響することも。
📝まとめ:おすすめの測量タイミングは?
それぞれのタイミングにメリット・デメリットがありますが、境界トラブルを避け、スムーズな売買を実現するためには「①売り出す前の測量」が最も安心です。とはいえ、物件の状況や売主・買主の意向によって最適なタイミングは異なります。契約前にしっかりと話し合い、納得のいく形で進めることが大切です。






